極小手のひらサイズの猫
小さい動物というのは、その儚さからかとてもかわいく見えるものです。
その点で言えば、この猫は最もかわいく見える猫と言えるでしょう。
その名は、クロアシネコ、文字通り世界最小の猫の種類です。
その小ささは手のひらに乗るほどで、重さは平均で1.9キロ、メスに至っては1.6キロしかありません。
体長は、オスで40センチ前後、メスだと30センチ半ばといったところです。
普通の猫の感覚だと、生まれたての子猫という感じですが、立派な大人でこれ以上大きくなることはありません。
砂漠やサバンナ地帯に生息する
このクロアシネコは主にアフリカ地方に住んでいて、砂漠やサバンナ地帯に分布しています。
野生のヤマネコで、非常に小さいものの、捕食動物として非常に優秀な猫なのです。
基本的に肉食で、ネズミ類など小動物を捕まえて栄養源としています。
小さな体の割に大食漢で、一夜にして250グラムもの肉を食べることが分かっています。
この量は、全体重の6分の1に相当しますから、いかにたくさんの食料を食べるかが理解できます。
人間なら、毎日10キロくらいの量を食べるということになります。
これだけの量の肉を食べるということは、つまりそれだけ上手に狩りを行えるという意味でもあります。
敏捷な動きが身上で、小動物を見つけるとこっそり忍び寄った後、一気に得物を捕まえてしとめてしまいます。
小さいからといって臆病なわけではなく、自分よりはるかに大きい動物に対峙して攻撃を仕掛けることさえあります。
絶滅の危機に瀕している
このクロアシネコは、群れで生活するのではなく、基本的には単独行動を好みます。
アリクイなどの動物が放棄した穴に住んでいることが多く、夜行性の動物です。
残念ながらクロアシネコの数はどんどん減っていて、絶滅危惧種に指定されています。
ペットとして密かに捕らえられたり、環境の変化などで餌が激減していることが原因だと考えられています。
もちろん、保護活動は進んでいて、アフリカを中心に動物園や保護センターなどで複数の個体が飼育されています。
繁殖にも成功していて、個体の数を増やす努力が実りつつあります。
もちろん、絶滅危惧種ですので、一般の人がペットとして飼うことはできませんが、そのかわいさもあって世界中にファンがいます。
こうしたファンや動物愛好家の支援によって、これからさらに保護が進み、自然の世界でもクロアシネコが増えていくことが期待されています。
また、たくさんの写真や動画がインターネット上にアップされていますので、この猫への関心を深め、絶滅の危機に瀕している動物への理解と、できる限りの援助をすることによって、一人一人が保護に貢献できます。